マーケティング脳の育て方

たまに出張で東京に戻ることがあります。阿蘇の限界集落に住んでいる村人としては、いつも山と田んぼと川しか見ていないので、久しぶりに都会の雑踏では、改めていろいろ不思議に思ったりします。

例えば電車の中。ほとんどの人が隣り合わせで、スマホを見てます。会話がないなんて田舎じゃありえません。田舎だったら、まず

「あんたどこの人?」

から入って、何かしら会話があるのが常識です。もちろん東京でそんなことをしたら、ちょっとおかしな人と思われるのは間違いないわけです。

そこで先日ふと思ったのは、そもそもスマホでみんな何をしてるのかなぁ?ということです。ほとんど動画見たり、SNSしているか、ゲームをしているかですね。

それじゃそのゲームはどんなものなのか?テトリスのようなパズル系のものだったり、冒険者のRPGだったり、街を作るシミュレーションだったりと、かつて秋葉原に通いつめてパソコンゲームオタクだった私としては、ちょっとやってみたいなと思ったりしますが、もう既についていけないほどゲーム事情は進歩しているようです。

そこで、マーケティング的にこれを考えてみると、いろんなことが見えてきます。そもそもなぜゲームをするんだろうか?と。彼らが電車の中ですかさずスマホを見てこのような行動を起こすのは、もちろん電車の中で会話したり、ぼーっとするよりSNSやゲームをしたほうが快感だからするわけです。

そこにどんな欲求があるかと言えば、

  •  人と繋がりたい
  • やっつけたい
  • 整理したい
  • 作り上げたい
  • 育てたい
  • 別世界に行きたい

などなど、人のこのような欲望をSNSやゲームは満たしてくれるから、それにお金を払ってでも続けるのです。 それならこのような欲望を満たしてくれるサービスを、他のかたちで彼らに提供すれば、さらに喜んでもらえるのではないか? これを自社の商品にあてはめたらどうなるか?そしてそれはどのような形の商品で、そこにはどのくらいのコストがかかって、どのくらいの価格だったら売れるのか?

こう考えていくと、商売のヒントは日常にたくさん眠っているわけですが、このようなビジネスの種を見つけられるようになるには、もちろんマーケティング脳が必要なんです。

つまり、

人の気持ちを汲み取るアートな部分と、
それをコスト計算して型に落とし込むサイエンスな部分

のどちらも持ち合わせた考え方ができるか?ということですね。

「いや〜自分にはそんなふうに考えるのは難しい」とあきらめる必要はありません。これはちょっとした習慣を身に付けるだけの話ですから。

そこで今日はそのためにできる2つの方法を共有しましょう。

1つ目に、最も簡単で、最も効果があって、しかも自動的に答えを導いてくれるある”魔法の言葉”を紹介します。 それは、

「そもそも」  

です。

やってみればわかりますが、あらゆることにこの言葉を投げかけてみてくださいね。「そもそも」が呼び水となって、あなたの脳が「なぜ?」と勝手に考えはじめ、他のだれもが普通に考えていることの中に、自分でも思いもつかなかったようなヒントを勝手に出してくれるはずですから。

例えば

「そもそも」なぜ自分はパソコンを使うのか? 

「そもそも」なぜお金というものがあるのか?

「そもそも」なぜ人は1日3食食べるのか?

「そもそも」なぜ自分はこの名前なのか?

「そもそも」なぜ自分の村は産山村という地名なのか?

この「そもそも」が習慣になって、考えが深まったとき、洞察力ある人間として周りから評価を受けることは間違いないんです。

よく子供を持つお母さんが子供から学ぶことが多いという話を聞きますが、それは子供にとって見るもの全てが新しいので、 「ねぇ、どうして?」「これなぁに?」と良い質問を親にするからなんです。あたりまえの中にヒントがあることを忘れないでください。マーケティングを学ぶということは、まさにこういうことですから。

また、マーケティング脳を作るための2つ目として絶対にお勧めなのが、リベラルアーツです。自由七科と言われるこの学問は、日本の大学で言うところの一般教養になるんですが、日本のそれとはまるで違います。 経済、文学、科学、芸術、哲学、宗教、道徳までこの地球とそこに生かされている人間を、あらゆる側面から考え、真理を追求していくような終わりのない学問です。話題になっている東大EMPの設立や、TVで引っ張りだこの池上彰さんが東京工業大学でリベラルアーツ教授に就任して話題になっているのもこのような流れです。

現代のように答えのない情報過多の時代には、自分にとって何が正しいのかを判断するための材料を持つ人材が求められます。つまりあらゆる場面で正しい判断を下していくリーダーシップ、サバイバル力が必要なのですビジネスを成功させるのに遠回りのようですが、実はこれが最も近道なのです。

ちょうど我が村の日常に例えれば、ビジネスという畑に種を植えるために、前もって土を耕して整えるようなものです。土が悪ければ種がいくら優秀でも、美味しい実を収穫することはできないのです。

だから私は”狩猟型起業家”ではなく、”農耕型事業家”を目指しましょうとクライアントに教えています。

リベラルアーツに興味のある方は東洋経済さんのこちらの記事に詳しく書かれていますのでご覧ください。また、私のお勧めは池上さんのこの本です。
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結局のところ商売とは”人の役に立つための最高の仕組み”です。儲けとかブランドになるというのはその過程で産まれる副産物なんですが、経営者のほとんどがこれを最終目標にしてしまうんです。目標は別お客さんをどのような状態にするかなのです。

人の役に立ち、さらに自分のビジネスを成功に導くためには、電車の中のゲームの例のように、日常の人の行動から感情を理解し、出来事の本質をとらえられる洞察力、人間的な深みが絶対に必要なのです。

起業した9割の会社がわずか数年後には倒産しつづけているというのは、非常にもったいないことです。私も経験しましたが、起業も廃業もかなりのエネルギーを消費しますから。

その時にその時に自分が儲けることを考え、やり方に終止し、長い目で見て自分を育てながら、会社の在り方に注目しない経営者が多いからです。

経営で最も大切なのは

やり方ではなく、在り方

なのです。

そのため偉大な経営者のほとんどは、とてもスピリチュアルな世界を知っています。つまり精神的な力強さを備えているのです。リベラルアーツに宗教や哲学が含まれるのはここにあります。さらに日本では儲かる会社には神棚があったりします。誠実さ、礼儀正しさ、そうじ、こういった基本的な道徳こそビジネスに最も必要なのです。もっと言えば人間的成長と儲かるビジネス、これは同じことなのです。

さて、このあたりの神社的な話は、またの機会に書くとして、実は私が東京から田舎に移住した理由は、起業家のほとんどが行き詰まってしまうもったいない状況を減らし、世のため人のために奉仕する会社を一つでも多く産み出すために、このブログや私のセミナーで共感してくれるあなたのような人と出会い、地方でリベラルアーツを学ぶコミュニティを実現するためです。

そんなコミュニティでいつかあなたと出会う日を楽しみにしています。

ABOUTこの記事をかいた人

山奥に移住したITマーケティングコンサルタント。コールセンター、宝石商、旅館などあらゆる業界に従事した経験から、IT×マーケティング×神道を基本に、個人・企業の事業を遠隔支援。「我がまま人生実現をサポートし、日本を明るくする」を使命に情報発信中。